塗装と調色の用語
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主に塗装面のデコボコを埋めて平坦にし、上塗り塗料の土台となる塗装。新車ラインでは静電塗装され、焼き付け乾燥後、表面が研磨される。これも新車塗装で使われる言葉で、ボデーショップでは下塗りと中塗りの区別はあまりない。下塗りのプライマーと中塗りのサフェーサーの能力を兼ね備えたプライマーサフェーサーが利用されているためだろう。
吹き付けられた塗料は、溶剤が蒸発するので、その分だけ徐々に膜厚が減っていく。吹き付け直後の塗膜中に溶剤分が多いと、乾燥するまでの膜厚の減少量は大きいが、溶剤分の少ない塗膜なら、変化は少なくて済む。このように、吹き付け直後と乾燥後で塗膜の厚みが余り変化しない塗料を肉持ちがよいと言っている。例えばラッカー系塗料とアクリルウレタン系塗料では、シンナーの希釈量がずいぶん違う。シンナーの希釈量が少なくて済む塗料は肉持ちがよい塗料になる。  塗膜になったときに、肌の感じがポッテリしていて、いかにも膜厚が充分に付いているような感じを、肉持ち感がよいとも言う。これは感覚的な言葉なので、説明は難しいが、ベテランクラスのスプレーマンは肉持ち感ある仕上がりを好む。
メタリックやパール塗装で、着色層の塗料とクリヤーを混ぜて吹き付ける工程がニゴシ吹きである。ラッカー系クリヤーの場合、クリヤーだけを単体で吹き付けると、耐候性などに問題が出やすかった。そのためメタリック塗装の仕上げでは、1回目は1対1、2回目は1回目の残りの塗料に同じ量だけクリヤーを加えるなど、ニゴシ吹きの工程を欠かすことはできなかった。ウレタン系塗料では、クリヤーを単体で吹いてもあまり問題は出ないが、ムラ取りやボカシ部を目立たなくするため、1回目のクリヤーはニゴシ吹きで吹き付ける場合がある。3コートパールのボカシ吹きでは、ベースコートの塗料とパールを混ぜてニゴシ吹きする方法もある。
にじみ
旧塗膜や下地の色が溶けだし、上塗り塗膜中ににじみ出てその部分だけ色が変わるようなトラブル。カタカナで言えば<ブリード>になる。旧塗膜や下地の塗膜性能が不充分な場合に起きる。また看板文字の上から直接塗装したり、ピッチやアスファルトが付着している上に塗装すると、にじみが出る。
ネタ
お寿司やさんでは、寿司飯の上に載っている刺身などのことだが、塗装の世界では吹き付けるために用意した塗料のこと。調色を済ませ、硬化剤とシンナーを加え、後は吹き付ければいい、という状態がネタである。
粘度
液体の流れにくさを表わすのが粘度である。水飴のようにネバネバトロトロしていると粘度が高く、水のようにサラサラなら粘度は低い。気温が同じ場合、吹き付けの時の塗料の粘度は常に一定にしておく必要がある。粘度が変われば、仕上がりの肌に影響が出るからである。  塗料の粘度を計測するためには、底に穴が開いた小型のカップを利用する。粘度を計測するためのカップは<フォードカップ>と呼ばれ、底の穴の大きさで数種類設定されているが、日本ではその中から穴の直径が4oのbSがよく用いられている。なお、カップの容量は100tになっている。市販されている<粘度計>は、フォードカップに相当するサイズで作られている。  塗装現場で、粘度計やフォードカップを使って粘度を計測している姿は珍しくない。しかし正式な測り方はあまり知られていないようだ。用意するものはフォードカップの他、ガラスのような透明で平らな板を1枚(1辺は50p以上)、秒を測るためのストップウォッチ。  まず底の穴を指でふさいでおき、カップの中にやや多めに塗料を入れる。次にガラス板をカップの上に置き、横にズラすようにしてふたをする。この時、ガラス板と塗料の間に泡が入らないようにする。この状態で穴を押さえていた指を離す。塗料はまだ流れ出さない。その後でカップの上のガラス板を、少しずつズラして取り去ると、塗料が流れ落ち始める。塗料が流れ出せばストップウォッチをスタート。カップ内の塗料がほぼ流れ落ちて糸のようになって、それがはじめてとぎれた時点で計測をストップする。この間の秒数で粘度を表わしている。  同じ塗料でも温度によって粘度が変わるため、塗料の粘度は計測に使ったカップの種類、気温、秒数の組み合わせで表現されている。例えば「フォードカップbS、25℃、19秒」という具合だ。